原理主義

原理主義の概要と歴史、さまざまな分野での原理主義の使われ方。原理主義という用語に関する知識を紹介しています。

原理主義の概要

上述のように「原理主義」(ファンダメンタリズム)は、本来は「根本(基本)に還る」との意味であり、必ずしも狂信的や急進主義や過激派などの意味は持っていない。

しかし既存の体制である従来のキリスト教会や近代の世俗主義の立場からは、現在の文明を否定する思想に思える事、特にイスラム原理主義の用語がテロリズムの代名詞のように(主として欧米のジャーナリズムやマスメディア、政界で)使われた影響もあり、狂信的な宗教的情熱による現実を無視した非寛容の過激思想、などの意味を持つレッテルとしても、他の多くの宗教や、宗教以外の分野においても使われている。

同義語では無いが関連する用語には「急進主義」や「教条主義」がある。「急進主義」(ラジカリズム)は「根本から変革する」立場であり、原理主義の思想や社会を現実化しようとする場合には急進主義になりうる。「教条主義」(ドグマティズム)は教義・経典に固執する傾向であり、原理主義が特定の教義・経典を重視し字句通りに解釈し強制しようとする場合には教条主義になりうる。

國學院大學教授の井上順孝は、原理主義を以下の3つの特徴(「3つのげんてんしゅぎ」)で説明した[10]。

1.原点主義:その宗教が誕生した初期の状態への回帰を意図する。ただし、その「初期の状態」とは歴史的事実とは関係なく、原理主義者が思い描いた物であることに注意。
2.原典主義:宗教の創始者の言葉及び、それらがまとめられた経典(教典)に対し忠実であろうとする。これも、前者と同様にその解釈は原理主義者による。
3.減点主義:現在の教団もしくは社会のありようが、宗教の創始当時と比べて堕落していると見る態度。これらの秩序を回復しようとするあまり、過激な社会行動に走りやすい。

 

参照:Wikipedia原理主義

 

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その他の分野

宗教以外の分野でも、現実を無視して特定の原理原則に固執する考え方を「原理主義」と呼ぶ場合がある。

○経済
市場による自由な取引が最大の生産性を生み出すというレッセフェールに対して、批判的な立場による市場原理主義

●科学
○科学原理主義
科学者の中にしばしば見られる、"科学が真実へ近づく絶対普遍で唯一正当化される方法だ" などと見なす信念(思い込み)、ドグマ(教義)、(根本主義者とそっくりな)精神構造などは、「科学原理主義」や「科学主義」と呼ばれ[22]批判されている。

○ダーウィニズム、ネオ・ダーウィニズム、物理主義
茂木健一郎養老孟司は、ダーウィニズムやネオダーウィニズム[23]、物理主義(何でもかんでも物理法則で説明できる、などとする説明方式)も原理主義だと説明している[23]。

○ソフトウェア分野
工業、特にソフトウェアの分野における原理主義とは、制作物を公的な規格や仕様にできるだけ合致させようとする主張・態度のこと。これは、英語で宗教になぞらえてエヴァンジェリズム(Evangelism、福音主義)と呼ばれていたものの訳語である。

 

参照:Wikipedia原理主義

その他の宗教

キリスト教、イスラーム教以外の宗教では、「ユダヤ原理主義」[16]、「ヒンズー原理主義」[17]、「仏教原理主義」[18]、「神道原理主義」[19][20]などの用語が使用されている。これらの用語の多くは、冷戦終結以降に広まった「イスラム原理主義」からの類推で、過激でファナティック(狂信的)な信仰として批判的に使用されており、「ユダヤ原理主義」はシオニズム、「ヒンズー原理主義」はカシミール紛争などの過激派、「神道原理主義」はいわゆる国家神道に関連づけられて使用されている。

しかし他方では、御嶽神社は本来の肯定的な意味で「神道原理主義」という用語を使用している[21]。

 

参照:Wikipedia原理主義